超人 vs Optimistic nihilism
超人とは、ニーチェの言葉で、ニヒリズムに陥った人間を通過点とし、その超越の極限にたつ存在である。超人は価値が喪失した中で、なおをも生を肯定し、キリスト教に代わり、道徳や倫理の彼岸に立ち、民衆に命令を下す存在である。ニーチェは、ヨーロッパの伝統的な形而上学やキリスト教を否定し超人思想を語ったが、その定義が曖昧で明確でなかったため、その後、さまざまな解釈を可能にすることとなる。文学や芸術、哲学、思想に影響を与え、政治的にはナチスドイツに利用されるなどした。
しかし、現代で流行しつつあるニヒリズムは今までのものとは異なる「陽気なニヒリズム」というのがガーディアンの主張。従来型のニヒリズムが「人生に重要なものなんてないんだ…… 私の人生は、一体なんなんだ……」といったものであるとするならば、陽気なニヒリズムは「人生に重要なものなんてないんだ!だったら人生を楽しもう!」というような考えだとのこと。
どちらもニヒリズムを積極的に肯定するという意味では同じ。だがその後の行動が超人は積極的に「キリスト教に代わり、道徳や倫理の彼岸に立ち、民衆に命令を下す存在」とするが、Optimistic nihilismはもっと消極的。その状態を肯定した上で、それをポジティブに捉えて今を楽しもうとする。
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